【政府情報】英国、初の自律型掃海システム導入へ
英国防相は7月4日、英海軍が初めて自律型掃海システムを導入したと発表した。今回配備された「スウィープ(SWEEP)」3基は、進化する海中機雷の脅威に対応するために開発されたもので、2005年以降失われていた同軍の掃海能力を回復し、国際海域の安全保障体制を強化する。 スウィープは、英ドーセット州に本拠を置くTKMSアトラスUK(TKMS Atlas UK)社が開発・製造を担い、英海軍との契約額は2,500万ポンド(約50億円)に上る。こ…

英国防相は7月4日、英海軍が初めて自律型掃海システムを導入したと発表した。今回配備された「スウィープ(SWEEP)」3基は、進化する海中機雷の脅威に対応するために開発されたもので、2005年以降失われていた同軍の掃海能力を回復し、国際海域の安全保障体制を強化する。 スウィープは、英ドーセット州に本拠を置くTKMSアトラスUK(TKMS Atlas UK)社が開発・製造を担い、英海軍との契約額は2,500万ポンド(約50億円)に上る。こ…
米防衛企業エルビット・システムズ・オブ・アメリカ(Elbit Systems of America、以下エルビット・アメリカ)社は5月14日、米海兵隊から双眼型夜間暗視装置(SBNVG:Squad Binocular Night Vision Goggle)システムの製造を約1億1,200万ドル(約163億2,800万円)で受注したと発表した。このSBNVGは同社のバージニア州ロアノーク工場で製造され、2026年12月までに納入される予定だ。 今回の契約は、2023年に締結された複数年の無期…
米海軍向け艦艇を手がける米国最大の造船企業、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII:Huntington Ingalls Industries)社は6月30日、同国のAIアプリケーション開発企業C3 AI社と、造船分野における人工知能(AI)技術の活用を強化する戦略的提携を結んだと発表した。この提携は、HII社傘下のニューポート・ニューズ造船所とインガルス造船所における生産効率の大幅な向上を目的としている。 HII社のクリス・カスナ…
米国のトランプ政権が造船業の復活を目指す中、日本が技術面などで協力することが議論の的となっている。とくに日本では、米国への造船協力がトランプ関税に対する有力な「交渉カード」になるのではないかと期待されている。 米国の造船業は過去数十年で大幅に衰退し、今や自国で米国向け船舶を製造できない現状にあるといっても過言ではない。トランプ大統領は「かつて1日に1隻を建造していたが、今は実質的に1年に1隻もつくって…
アラブ首長国連邦(UAE)の防衛コングロマリットであるエッジ(EDGE)社は6月3日、クウェート国防省と総額90億ディルハム(約3,550億円)に上るミサイル艇の大型輸出契約を締結したと発表した。これは、中東地域における艦艇輸出としては過去最大規模で、世界的にも有数の高額契約となる。 契約の対象は、全長62mの次世代ミサイル艇「ファラジ(FALAJ)3」である。エッジ社は主契約者としてプログラム全体を主導し、艦艇の設計、…
米海軍は、艦船へのレーザー兵器の搭載を進めている。米軍が公表した年次レポートによると、2024年にレーザー兵器を搭載した艦船で試験を実施し、ドローンの撃墜にも成功したという。依然として技術的な課題は残るものの、将来的な実用化への期待が高まっている。 搭載されたレーザー兵器は「統合光学ダズラー・監視機能付き高エネルギーレーザー(HELIOS: High-Energy Laser with Integrated Optical-dazzler and Surveillance)…
インドは現在、海軍力の強化に力を入れている。特に注目すべきは新たな原子力潜水艦の建造だ。2024年8月に2隻目が就役したばかりだが、現在2隻が建造中であり、今後さらに4隻を加える計画が進められている。 インド軍の原子力潜水艦調達計画はプロジェクト75アルファ(Project 75-Alpha)とよばれている。プロジェクト全体で6隻、計170億ドル(約2兆5,000億円)規模の原子力潜水艦を新たに製造する予定だ[1]。現在建造中の2隻は6,…
総務省は国際通信に欠かせない海底ケーブルを人工知能(AI)で監視するシステムの開発に乗り出すという[1]。背景には台湾周辺やバルト海で、それぞれ中国やロシアの関与が疑われる海底ケーブルの切断事案が相次いでいることがある。そうした中、バルト海では海底ケーブル攻撃への警戒を強めているNATO諸国によって、すでにAIによる監視システムが導入されている。 バルト海では、2024年11月以降、ロシアが背後にいるとみられる海…
エアバス社製の新型ドローンが艦上でのテストを開始2025年1月28日、航空宇宙産業大手エアバス社の子会社で軍用機部門を担当するエアバス・ディフェンス・アンド・スペース(Airbus Defence and Space)社とスペイン国営造船会社のナヴァンティア(Navantia)社は、スペイン海軍の強襲揚陸艦「フアン・カルロスⅠ世(Juan Carlos I)」[1]の艦上で同社が開発したドローン(無人機)を運用するための検証について契約書に署名したと…
NSBT Japanは、中国軍による南シナ海進出および台湾侵攻シナリオにおける最大の脅威の一つとして新型バージ船の分析を行った。ところがその後の軍事ニュースによると、当初の想定を上回る脅威である可能性が出てきた。そこで、より詳細な検証を行うため、最新の画像を交えて追加レポートを作成することとした。 新たに公開された映像には、新型バージ船に関する新情報が含まれている。特に、安定性を向上させるジャッキアップ式の…
中国が原子力空母に搭載する原子炉を製造していることが明らかになった。米国の研究チームが四川省の山岳地帯にある原子炉プロトタイプの製造所を発見したとのことだが、原子力空母の建造からみえる中国軍の意図は何であろうか。 昨年(2024年)11月、米ミドルベリー国際大学院の研究チームが、衛星画像から四川省の山岳地帯で原子炉の建造が進められていることを発見した。またこの原子炉は二次回路を備えた加圧水型原子炉である…
中国は、強襲上陸作戦に使用すると考えられる新型の特殊運搬船(バージ船)を、少なくとも5隻建造している。この船は、大量の軍事車両を離島などに直接上陸させる応急埠頭として使用できるため、中国人民解放軍(PLA)にとって台湾侵攻において重要な装備となる可能性がある。 台湾侵攻を分析する専門家は、中国の造船所を継続的に監視しており、特殊な形状の船舶に関する情報をSNSで発信している。広東省の香港近郊にある広州広…
英国に拠点を置く防衛企業SEA 社は3月13日、マレーシア海軍 (RMN)との契約を延長し、引き続きルムット海軍造船所 (LUNAS) から固定式の3連装魚雷発射装置(TLS) を供給すると発表した。この契約により、5 隻のマハラジャ・レラ(Maharaja-Lela)級沿岸戦闘艦 (LCS)[1]に最先端の軽魚雷発射機能が搭載され、RMNの沿岸防衛能力が大幅に強化されることとなる。 TLSは固定式の3連装魚雷発射装置でマハラジャ・レラ級LCSの対潜戦能力を…
ラインメタル・ディフェンス・オーストラリア(Rheinmetall Defence Australia)社はオーストラリアで、同海軍の艦艇に搭載される予定の「MASS(Multi Ammunition Softkill System:多弾頭ソフトキル[1]システム)』の組み立てを開始した。 MASSシステムは、デコイ[2]を発射して飛来するミサイルを誤誘導し、ターゲットを逸らすオフボードの対抗手段である。このデコイは、風、船舶の航行データ、脅威の特性を分析した後、自動的…
ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)社傘下のシコルスキー・オーストラリア(Sikorsky Australia)社は2月28日、オーストラリア海軍の統合多用途艦載ヘリコプター「MH-60Rシーホーク(Seahawk)[1]」の維持整備を継続するため、3億1,350万豪ドル(約290億2,000万円)の契約を獲得したことを発表した。 シコルスキー・オーストラリア社のニューサウスウェールズ州ナウラにあるメンテナンス・ロジスティクス・サポート施設は…
フランスの防衛・通信機器大手タレス(Thales)社は1月30日、フランス装備総局(DGA:Direction Générale de l'Armement)から、新型のアクティブ・パッシブ両用ソノブイ[1]「ソノフラッシュ(SonoFlash)」をフランス海軍に供給する契約を獲得したと発表。 タレス社は数百個のソノフラッシュを供給し、フランス海軍の対潜戦能力を強化する。この使い捨て型ソノブイは、アクティブモードとパッシブモードの両方を備えた唯一の…
英防衛大手BAEシステムズ(BAE Systems)社は1月28日、英国防省が「RECODE(Real-time Combat System Open Data Enablers)計画」の下、英海軍の戦闘管理システム(CMS:Combat Management Systems)および軍艦ネットワークの支援に関する契約を2億8,500万ポンド(約548億8,000万円)で同社に発注したと発表。この契約により、今後8年間にわたり、艦隊はその能力を強化できる。 RECODE計画では、クイーン・エリザベス級航空母艦[…
英国の航空機・船舶エンジン製造大手ロールス・ロイス(Rolls-Royce)社は1月24日、子会社のロールス・ロイス・サブマリンズ(Rolls-Royce Submarines)社が英国国防省から同社史上最大規模となる約90億ポンド(約1兆7,400億円)の契約を獲得したと発表した。この契約は、英国海軍の原子力潜水艦用原子炉の設計、製造、運用支援を対象としている。同社は過去60年間にわたり、英国の原子力潜水艦向けに発電プラントを供給してきた…
中国の新たなステルス無人水上艦(USV: Uncrewed Surface Vessel)の画像が出回っている。画像から各種レーダーやヘリコプター用甲板などの搭載物が確認でき、この船舶が本格的な攻撃型小型艦艇となる可能性がうかがえる。 画像は2024年10月末に初めてSNS上で共有され、11月に入ってから拡散された。画像からはこの船舶が全長200m、幅40m程度でステルス性能を有する三胴型[1]の無人水上艦であることが分かっている。完全無人…
英国のSEA社は1月21日、3 連装誘導式魚雷発射装置(TLS)を「ラテンアメリカの数百万ポンド規模のフリゲート艦プログラムに納入する」と発表した。納入先の国名や具体的な契約金額は明らかにされていない。 SEA社は、中南米のどのフリゲート艦がTLSを採用したかは明らかにしなかったが、「このシステムは世界中の多くの海軍で運用されてきた長い歴史がある」と強調する。その中には30年以上運用されている英国海軍も含まれている…