米空軍、AI導入で戦略意思決定を7倍加速化:その効用と課題とは
米空軍は、戦闘シミュレーションにおいて人工知能(AI)が人間の意思決定をサポートし、従来の7倍の速度で作戦上の意思決定を行うことができたと明らかにした。AIの能力が飛躍的に向上し、安全保障においても利用可能な領域はますます広がる中、AIによる意思決定は今後の軍事戦略の焦点となるかもしれない。 公式発表によると、AIの補助により「作戦上のジレンマ」、すなわち敵がどの行動を選んでも不利になるような選択肢の数は…
米空軍は、戦闘シミュレーションにおいて人工知能(AI)が人間の意思決定をサポートし、従来の7倍の速度で作戦上の意思決定を行うことができたと明らかにした。AIの能力が飛躍的に向上し、安全保障においても利用可能な領域はますます広がる中、AIによる意思決定は今後の軍事戦略の焦点となるかもしれない。 公式発表によると、AIの補助により「作戦上のジレンマ」、すなわち敵がどの行動を選んでも不利になるような選択肢の数は…
インドの国防研究開発機構(DORO:Defense Research and Development Organisation)は、同国のアンドラ州クルノールにある国立試験場で、無人航空機(UAV)発射型精密誘導ミサイル「ULPGM-V3」の試験を成功させた。このミサイルは、DOROが過去に開発・納入した「ULPGM-V2ミサイル」の改良型である。 ULPGM-V3は高解像度の複合誘導装置を搭載し、多様な標的を攻撃できる。平地および高地での発射が可能で、昼夜対応能力を備えてい…
カナダ空軍のF-35A調達額、当初の見積を大幅に超過2025年6月11日付の英国ロイター通信(Reuters)の記事によると、インフレや為替レートの変動などにより、カナダ空軍が米国製CF-18A/B戦闘機[1]の後継機として導入予定の第5世代戦闘機F-35「ライトニングⅡ」88機の最終的な調達額が、277億~332億カナダドル(約2兆9,400億円~3兆5,100億円)[2]に達する可能性があると、カナダ会計検査院は指摘した。 この金額には機体だけではな…
スウェーデンの防衛・航空宇宙企業であるサーブ(SAAB)社は、チェコ共和国国防省および軍から移動式防空システム(MSHORAD)を受注した。受注額は18億スウェーデン・クローナ(約277億円)で、納入は2028年から2030年にかけて行われる予定である。 今回の受注には、サーブ社の移動式射撃ユニット、「RBS 70 NG」短距離ミサイルシステム、そしてボライド・ミサイルが含まれる。これらのシステムは、チェコのSVOS社が製造する「MAR…
BAEシステムズ社は、米国での試験において、マルチローター無人航空機システム(UAS)から精密誘導弾を発射し、空中および地上の標的を両方とも破壊することに成功した。 これは最前線にいる部隊向けの低コストの攻撃手段および対UAS手段の開発において、大きな前進である。 試験では、無誘導のロケット弾にBAEシステムズ社のAPKWSレーザー誘導キット[1]を装着することで、精密誘導弾への変換がなされた。変換された弾薬は、BAE…
コロンビア共和国のグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領は2025年4月3日、同国空軍の次期戦闘機にスウェーデン・サーブ(SAAB)社のJAS39「グリペン(Gripen)」を選定したと公表した。これは同大統領がSNS上で「コロンビア共和国は、『戦略的防空』を最優先プロジェクトとして承認し、スウェーデン王国とグリペン戦闘機購入に関する意向書を締結した」と投稿したことによるものである。 最有力候補F-16を抑えてグリペンが選…
2025年7月2日、ウクライナの無人航空機システム企業スカイトン(Skyeton)社と、英国プリベイル・パートナーズ(Prevail Partners)社は、高性能ドローンを英国軍に導入するため、その量産、供給、サポートの迅速化を目的とした合弁事業の設立を発表した。 この合弁事業の中核となるのは、無人航空機システムのレイバード(Raybird)である。レイバードは、ウクライナで数千時間の飛行実績を通じて、その極めて低い故障率と卓越した…
ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)社は2025年3月、開発中の米空軍向け次世代ステルス戦略爆撃機「B-21」について、「予定を上回るペースで開発が進捗している」と発表した。この発言は、米空軍協会主催のイベントに出席したノースロップ・グラマン社のB-21担当部門最高責任者によるものである。 B-21は2023年11月の初飛行以来、継続的に試験飛行を実施しているとみられるが、高度な機密事項であるため詳細は公表されて…
自律型航空戦闘における画期的な成果シールドAI(Shield AI)社が開発した自律飛行ソフトウェア「Hivemind」を搭載した、ジェネラル・アトミックス(General Atomics)社の無人航空機MQ-20アベンジャーは、模擬空対空戦闘において無人機として初めて標的の撃墜に成功した。これは無人航空戦闘の著しい進化を示す、画期的な成果である。 この試験は2025年6月11日に実施され、実機のMQ-20とサイバー空間上に構築された仮想のMQ-20が…
豪州の防衛テクノロジー企業ドローンシールド(DroneShield)社は6月25日、欧州の軍事顧客に対し、総額6,160万ドル(約90億円)規模の対無人航空機システム(C-UAS:Counter-Unmanned Aerial Systems)関連装備を供給する契約を、同社の欧州域内販売代理店を通じて締結したと発表した。これは同社にとって過去最大の単独受注であり、2024年の年間売上高である5,750万ドル(約84億円)を上回る金額である。 契約には、携帯型のドロ…
米国防総省(DOD)は2025年6月22日、同月21日夜に実施されたイランの核施設に対する歴史的空爆「ミッドナイト・ハンマー作戦」の詳細を公表した。ピート・ヘグセス(Peter Brian Hegseth)国防長官とダン・ケイン(John Daniel Caine)空軍大将(統合参謀本部議長)が記者会見で説明した。 この作戦では、イラン国内のフォルドゥとナタンズにある核関連施設が攻撃対象となった。…
英国政府は6月24日、国家安全保障の強化を目的に、NATO(北大西洋条約機構)の核任務に参加すると表明し、核兵器の搭載が可能な最新鋭ステルス戦闘機「F-35A」12機を購入すると発表した。冷戦終結後、英空軍が核抑止任務を再び担うのは今回が初となる。 今回の決定は、英国の核抑止体制を一世代ぶりに抜本的に強化するものであり、欧州大西洋地域における集団防衛への英国の関与を改めて明確にした。英国はこれまで、NATOの核抑止…
ウクライナ国防省は6月24日、オランダ政府と60万機を超える無人航空機(UAV、以下ドローン)の共同生産契約を締結したと発表した。この契約は、ウクライナ軍における即応能力の向上を目的とした新たな軍事支援パッケージの柱となるもので、年内にドローンの供与が開始される予定だ。 切実にドローンを必要とする前線のウクライナ軍に対し、持続的な供給体制を構築するこの契約は、総額約5億ユーロ(約841億7,000万円)にのぼる。…
米海軍、空対空重武装のF/A-18スーパーホーネットに「マーダーホーネット」の愛称を付与2025年1月、米海軍は2024年の成果をまとめた年次報告書[1]のトピックスの一つとして、「AIM-9X空対空ミサイル4発とAIM-120空対空ミサイル5発を搭載した 『マーダーホーネット(Murder Hornet:殺人スズメバチ)』が実戦に参加」と記載した。 これは、「ホーネット(Hornet):スズメバチ」を愛称とする戦闘機F/A-18シリーズ[2]に空対空ミサイ…
米国の無人貨物機メーカー、スカイウェイズ(Skyways)社は6月9日、米空軍の技術革新部門「AFWERX」から総額3,700万ドル(約53億5,800万円)の助成金を受けたと発表した。この資金を活用し、自社の長距離無人貨物航空機「V3」の試作機を量産段階へと移行させる。将来的に数千機規模での運用を見据え、設計の最終化や自律運航機能の高度化、製造体制の強化を進める。同社は、V3を米国防総省の正式な調達計画である「プログラム・オ…
2025年1月27日、米空軍は次世代戦闘機用のエンジンを開発するNGAP計画に参加している航空機エンジンメーカー2社への開発資金の配分について、大幅な増額を発表した。 この2社は「ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company:略称GE)」と「プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney:略称P&W)」社である。米空軍はそれぞれの企業との契約内容を更改し、エンジンの試作段階までの資金提供額を各社35億ドル…
米海軍は2025年2月4日、戦闘機F/A-18E/F「スーパーホーネット」用に開発された「IRST(Infra-red Search and Track:赤外線捜索追尾)ブロックⅡ」が2024年11月にIOC(Initial Operational Capability:初期運用能力)に達したことを公表した。2025年春から本格的な量産が開始される予定である。 ポッド型の「後付け」赤外線捜索追尾システム「ASG-34A(V)1」の制式名称が付与されたこのIRSTシステムは、主に米ロッキード・マーチ…
ロシアでは、複数のドローンが連携して攻撃する「スウォームドローン」への人工知能(AI)の搭載が始まっている。仮に実戦投入されれば、ロシアのスウォーム攻撃の脅威は一層大きくなるとも言えるが、果たしてその実力はどのようなものであろうか。 AIの搭載が報じられているのはイラン製の自爆型ドローン「シャヘド136(ロシア名:ゲラン2)」だ。シャヘド136はロシア軍によるウクライナへの攻撃において主力となっている自爆型…
米エアロバイロンメント(AeroVironment)社は5月6日、新型UAV「レッドドラゴン(Red Dragon)」を発表した。 レッドドラゴンはGPS・通信が利用できない状況での任務遂行を念頭に設計された、完全自律制御に対応する機体である。同機はエアロバイロンメント社のセンサーシステム「SPOTR-Edge」を搭載しており、ISR(情報・監視・偵察)データや赤外線画像等の情報源から標的を自動で検知・分類する。またGPSや通信が使用できない…
2025年2月末、英国空軍は米国製F-35ステルス戦闘機に欧州製「ミーティア」長距離空対空ミサイルを搭載して初の試験飛行を実施した。この試験は米国メリーランド州の米海軍航空基地において、米海兵隊のF-35B(STOVL型)を用いて行われたものだ。 F-35Bは、短距離離着陸時に使用するリフトファンを搭載する機体構造上、ウェポンベイ[1]の容積が小さく、搭載可能な兵器が限定されるという欠点がある。しかし、英国空軍が公開した写…