「アイアンドーム」から「ゴールデンドーム」へ: イスラエル防…
2025年5月、トランプ米大統領は、中国やロシアなどの脅威に対抗するため、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」計画を発表した。この計画は、数百基の衛星による宇宙空間からのミサイル監視・迎撃ネットワークを中核としており、総額1,750億ドル(約25兆円)を投じて米本土および同盟国の防空を抜本的に強化しようとするものだ。トランプ大統領が「米国版アイアンドーム」とも呼ぶこの計画の着想源となったのが、イスラ…

2025年5月、トランプ米大統領は、中国やロシアなどの脅威に対抗するため、次世代ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」計画を発表した。この計画は、数百基の衛星による宇宙空間からのミサイル監視・迎撃ネットワークを中核としており、総額1,750億ドル(約25兆円)を投じて米本土および同盟国の防空を抜本的に強化しようとするものだ。トランプ大統領が「米国版アイアンドーム」とも呼ぶこの計画の着想源となったのが、イスラ…
2025年2月26日に開かれた米下院軍事委員会において、米特殊作戦部隊(SOF:Special Operations Forces)の各司令官たちは、ハマス(Hamas)やヒズボラ(Ḥizb Allāh)といった敵対勢力が急速に技術力を高めている現状に対し、強い警鐘を鳴らした。米国がその変化のスピードに追随できていないことに対して、強い警戒感を示した形だ。 これまで米国は、「敵が我々を感知する前に、こちらが敵を感知する」ことによって戦闘を優位に…
米海軍は2023年、紅海で武装組織(フーシ派)によるミサイルや無人機(ドローン)を撃墜するために、10憶ドル(約1,600億円)以上を費やした。現在もフーシ派は低コストの無人機(ドローン)を使った攻撃を続けており、この莫大な支出が作戦継続を困難にしている。 これに対し、米国防総省は費用対効果の高い対策を模索している。しかし、その方針は「進化するドローン技術に対抗できる最善策」という曖昧な内容にとどまっている…
米RTX傘下のコリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace)社は3月11日、搭載型のPNT(Positioning, Navigation and Timing)[1]第二世代システムである「MAPS GEN Ⅱ」の量産にについて米国防総省から承認を得たと発表した。 ジャミング(妨害)やスプーフィング(なりすまし)への耐性を備えた本ナビゲーションシステムは、これで5回目の納入注文となる。コリンズ・エアロスペース社は今後、米陸軍及び米海兵隊の戦闘車両や水…
バブコック・オーストラレーシア(Babcock Australasia)社は2月28日、オーストラリア国防軍の爆発物対策能力を強化するため、1,600万豪ドル(約15億1,000万円)相当の部隊用小型汎用ロボット「SPUR(Squad Packable Utility Robot)」を納入したと発表した。 SPUR軽量型リモート・ポジショニング車両(RPV-L:Remote Positioning Vehicles – Light)は、陸海空三軍で運用され、探索や情報・監視・偵察(ISR)任務に活用される。…
アラブ首長国連邦(UAE)の防衛コングロマリットであるエッジ・グループ(Edge Group)社は、2月17日から21日にアブダビで開催された国際防衛産業展示会「IDEX 2025」および海軍防衛・海洋安全保障展示会「NAVDEX 2025」において、陸・海・空・サイバー・宇宙の全領域にわたる46の最新システムを発表した。 陸上分野の新製品には、エッジ・グループの子会社でエストニアに本拠を置くミルレム・ロボティクス(MILREM ROBOTICS)社…
<「新たな空母キラー」KD-21空中発射弾道ミサイルの登場?>2024年9月27日、X(旧Twitter)に、中国が開発中の無人戦闘攻撃機(UCAV:Unmanned Combat Aerial Vehicle)[1]のCHシリーズ[2]と見られるドローンと、その前方にKD-21空中発射弾道ミサイル(ALBM:Air-Launched Ballistic Missile)と思われるミサイルが他の装備品と共に写っている写真が公開された。 KD-21は、2022年11月に「エアショーチャイナ2022」でH-6爆撃…
英国を拠点とする個人用防護具(PPE:Personal Protective Equipment)の専門メーカー、エイボン・プロテクション(Avon Protection)社は1月21日、低~中レベルの脅威下で活動する特殊作戦部隊や一般部隊の兵士、ファーストレスポンダー(第一救助者)要員向けに、新型のハーフマスク「MITR-M1」を発表した。 MITR-M1は、保護性能の低い単回使用マスクと従来のフルフェイスマスクの間にある機能的な差異を埋めるために設計され…
ノルウェーの防衛大手コングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース(Kongsberg Defence & Aerospace)社の子会社、コングスベルグ・ディフェンス・オーストラリア(Kongsberg Defence Australia)社は1月15日、ポーランドとの総額1,900万豪ドル(約18億4,000万円)の契約の一環として、「NSM(Naval Strike Missile)対艦ミサイル[1]CDS(Coastal Defence System)沿岸防衛システム」指揮統制コンソールを初めて輸出することを…
米テキストロン・システムズ(Textron Systems)社は1月13日、自律型水上艦「TSUNAMI」シリーズの開発を発表した。 TSUNAMIは米ブランズウィック・コーポレーション(Brunswick Corporation)社と共同で開発。テキストロン・システムズ社の自律型水上艦「CUSV」[1]の制御システムを搭載し、運用コストやメンテナンスの観点から燃料にはガソリンを使用する。 TSUNAMIの積載量は最大1,000ポンド(453.6kg)で、航続距離は600海里…
米海軍の海軍航空システム司令部(NAVAIR)は1月9日、AGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)をF-15E[1]と派生型のEXに統合するため、開発を担うロッキード・マーティン(Lockheed Martin)社と、調達契約を交渉する意向を発表した。 LRASMは空中発射型の対艦巡航ミサイルである。AGM-158B 統合空対地スタンドオフミサイル (JASSM) から派生した LRASM はステルス機能を有し、目標への誘導にはジャミング耐性を持つGPS 、慣性誘導…
スウェーデンの防衛大手サーブ(SAAB)社は、2024年12月23日にスウェーデン国防資材局と、スウェーデン軍向け沿岸対艦ミサイルの納入に関する契約を締結したことを発表した。 契約の総額は8億スウェーデンクローナ(約112億円)で、スウェーデン海軍への納入は2026年に開始される。現在スウェーデン軍はRBS15 Mk2対艦ミサイルを運用しているが、サーブ社は今回の契約で、その後継であるRBS15 Mk3対艦ミサイル[1]を新たに納入す…
米航空機・防衛大手であるジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI:General Atomics Aeronautical Systems)社は12月16日、ポーランド国防省から遠隔操縦航空機(RPA:Remotely Piloted Aircraft)「MQ-9Bスカイガーディアン(Sky Guardian)」を3機受注したと発表した。同社が最新開発したRPAシステムであるMQ-9Bはポーランドの情報収集・監視・偵察(ISR:Intelligence, Surveillance, Reconnaissanc…
英国の航空・防衛大手BAEシステムズ(BAE Systems)社は12月11日、戦闘機「ユーロファイター・タイフーン(Eurofighter Typhoon)」[1]の生産を手掛けるコンソーシアム(共同事業体)と、同社のヘルメット・マウント・ディスプレイ(HMD:Helmet-Mounted Display)「ストライカー(Striker) II」の性能向上に関する1億3,300万ポンド(約258億円)の契約を締結したと発表した。 ドイツ、イタリア、スペイン、英国の4カ国からな…
スウェーデンの航空・防衛大手サーブ(Saab)社は12月13日、スウェーデン国防装備庁(FMV)から同国海軍向けレーダーシステム「シージラフ(Sea Giraffe) 1X」を受注したと発表した。契約額は約3億4,000万スウェーデン・クローナ(約47億6,000万円)で、2024年から2026年にかけて納入される予定だ。 この契約には、訓練用および水上艦艇搭載用のさまざまな設定のシージラフ 1Xが含まれている。 サーブの監視事業部門責任者、カ…
ドイツの防衛大手ラインメタル(Rheinmetall)社は12月2日、シミュレーションおよびエンターテインメント分野で先進的なクロスリアリティー(XR:Extended Reality/Cross Reality)[1]技術を提供するホロゲート(Hologate)社と、軍事訓練用シミュレーション技術の開発で緊密に協力する方針を発表した。 訓練システムやドライバー教育に対する要求が複雑化している現代において、現実的かつ高度なシミュレーション技術は不可欠…
ドイツの防衛AI企業ヘルシング(Helsing)社は12月2日、新型の攻撃ドローン「HX-2」を発表した。HX-2は、ソフトウェアを基盤とした設計により、大量生産が可能でスウォーム(swarm)飛行[1]機能を有している。 ヘルシング社によると、HX-2は電気推進式のX翼型精密誘導弾薬で、射程距離は最大100km。搭載された高度なAIにより、電子戦環境下でも対応可能な妨害耐性を備えており、これらの性能はウクライナでの豊富な実績をもとに…
デンマークの防衛技術企業システマティック(Systematic)社は11月19日、オーストリア軍に、同社の指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察(C4ISR:Command, Control, Communications, Computers, Intelligence, Surveillance, and Reconnaissance)システム「シタウェア(SitaWare)」を導入する契約を締結したと発表した。同軍のデジタル化計画の一環で、契約額は7,300万ユーロ(約118億円)。 システマティック社に…
米国の防衛技術企業アンドゥリル・インダストリーズ(Anduril Industries)社は11月12日、米中央軍(CENTCOM:Central Command)の統合演習「デザートガーディアン(Desert Guardian)1.0」において、同社の「ラティス(Lattice)」[1]ソフトウェアが導入されたことを発表した。 アンドゥリル・インダストリーズ社によると、米中央軍はデザートガーディアン1.0で、ラティスを利用して複数の他社製センサーで収集した情報を単…
米防衛テクノロジー企業インバリアント(Invariant)社は11月14日、新型の対無人航空機システム(C-UAS:Counter-Unmanned Aerial Systems)を開発するため、米海兵隊システム司令部(MCSC:Marine Corps Systems Command)から2億ドル(約310億円)の大型契約を受注したと発表した。 契約は固定価格・原価加算固定料金・無期限納品/無制限数量(IDIQ:Indefinite-Delivery/Indefinite-Quantity)方式で、最先端の無人航空機迎撃…