NSBT アナリスト 小松 和郎 イランは現在進行中の米国とイスラエルの空爆作戦「エピック・フューリー」への報復として、中東各地の米軍関連施設への攻撃を続けている。中でもミサイル防衛用レーダーを標的としたドローン攻撃が顕著だ。ミサイル防衛の中核を担うレーダーへの攻撃は、これまでに複数回成功した可能性が指摘されている。 特に注目されるのは、極めて高度で高価なレーダーシステムに対し、比較的安価な自爆型ドロー…
ピックアップ
テロ対策・国土安全保障
【政府情報】ウクライナ軍が国産迎撃ドローン「JEDIシャヘド・ハ…
ウクライナ国防省は3月23日、国産の無人航空機システム(UAS)「JEDIシャヘド・ハンター(JEDI Shahed Hunter)」を正式装備として承認し、導入を認めた。これまでにロシア軍が使用する攻撃ドローンの「シャヘド」「ゲラン」「ゲルベラ」を撃墜した実績がある。 JEDIシャヘド・ハンターは、垂直離着陸が可能なマルチコプター型無人機だ。軽量で耐久性が高く、4基の電動モーターと大容量のバッテリーを搭載する。機体の総重量は4kg…
麻薬カルテルの「FPVドローン戦術」ウクライナ戦争が変える犯罪…
NSBT アナリスト 小松 和郎 米国が一部をテロ組織に指定している麻薬多国籍企業(カルテル)は、長年にわたり技術革新の成果を迅速に取り込み、法執行機関や競合組織に対して優位に立ってきた。海上警備を回避するため、衛星通信サービス「スターリンク」を搭載した半潜水艇を導入したほか、敵対組織の拠点を攻撃するための重装甲車両「ナルコ・タンク(麻薬戦車)」を開発するなど、独自の技術も進化させてきた。 こうした中…
【政府情報】米英がデータ共有促進で連携強化、C-UAS分野で規格…
米陸軍は3月12日、米国防総省と英国防省が対無人航空機システム(C-UAS)分野でデータ規格を統一する共同宣言に署名したと発表した。異なるシステム間でデータの互換性確保が課題となるなか、両国は規格の統一で相互運用性を高め、連携の向上を狙う。 今回の取り組みは、C-UAS能力の導入と運用を担う米軍の「省庁間合同タスクフォース401(JIATF-401)」が主導した。 各国で配備が進むC-UASは、センサーや通信方式がバラバラで、…
エルパソ空港封鎖 ~ドローンが突き付けた空港の脆弱性~
NSBT シニア・アナリスト 中條 剛 2026年2月11日、米国の代表的な軍事サイト「TWZ」が当局者の話として、米テキサス州エルパソ上空の航空交通に大規模な規制を行ったと報じた。規制の理由はメキシコのカルテル(巨大犯罪組織)が所有するドローンによる領空進入。その後、ドローンの無力化措置を実施し、一時閉鎖は解除された。 何が起きたのか事実関係を整理すると以下のようになる。 ●米連邦航空局(FAA:Federal Aviation …
【政府情報】英国がウクライナ国内に設けた防衛装備の修理拠点4…
英国防省は3月7日、ウクライナ国内で運用してきた防衛装備の整備・修理拠点の存在を初めて明らかにした。現在4カ所が稼働し、さらに1カ所を新設する計画で、損傷した装備品を現地で修理し、前線への再投入を急ぐ。 拠点は英国防省の契約の基で英国企業が運営する。対象は英国が供与した装甲車「CVR-T」や支援車両「ハスキー」、軽量砲「L119」に加え、旧ソ連製の装備品も含む。英国が供与した自走砲「AS-90」全数の保守と修理を担…
米陸軍アパッチ、30mmAPEXでドローン撃墜 ~陸自アパッチの能力…
NSBT シニア・アナリスト 中條 剛 VT(Variable-Time)信管をご存じだろうか。正式な名称は近接信管(Proximity fuze)であり、「マジック・ヒューズ(魔法の信管)」とも呼ばれる。第2次世界大戦中に米国が開発し、米海軍の艦載対空砲に初めて実戦配備された画期的な技術だ。 それまでの対空弾はレーダーで測定した目標までの距離に基づいた推測値で設定された、時間に基づく起爆(時限信管)に依存していた。これに対し、信管…
新たな空中戦の予兆 ~ウクライナで始まったガンシップ対シャヘ…
NSBT シニア・アナリスト 中條 剛 対ドローンの迎撃手段にはさまざまなものがあり、試行錯誤が繰り返されているのが現状だ。NSBTでもいくつか紹介してきたが、レーザー兵器や高出力マイクロ波のような大掛かりなものから、ショットガンや小銃弾を即席散弾にしたものまで多種多様だ。今回はウクライナにおける戦場の実相の1つとして紹介されたロシアのドローン「シャヘド(Shahed)」を撃墜する武装民間機について紹介する。 An-…
【政府情報】欧州投資銀行と欧州防衛機関の協力協定1周年
欧州投資銀行(EIB)と欧州防衛機関(EDA)による協力協定の締結から1年を迎え、欧州連合(EU)防衛部門への資金供給で大きな成果を上げている。2025年にEDAは最大7億ユーロ(約1281億円)規模の防衛プロジェクトに対し、融資の妥当性を評価する技術的な助言をした。 これはEIBが同年に安全保障・防衛分野へ投じた40億ユーロ(約7320億円)超の投資の一部を支えるもので、地政学的緊張の増大に対応した欧州の戦略的自律の強化を、…
【政府情報】ポーランドとスロバキア、対ドローン分野などで防衛…
ポーランド国防省は3月3日、ポーランドとスロバキア両国の政府と防衛企業が参加する「ポーランド・スロバキア防衛産業対話2026」をスロバキアの首都ブラチスラバで開いたと発表した。 両国の防衛産業と軍の関係者が一堂に会する初めての大規模フォーラムで、弾薬供給や装甲車両、対ドローン(無人機)分野などでの産業協力の具体化について議論した。 ポーランドのコシニャクカミシュ(Kosiniak-Kamys)副首相兼国防相とスロバキ…
中国YJ-18Cが示す戦略の進化 ~艦隊撃破からシーレーン破壊へ~
NSBT シニア・アナリスト 中條 剛 2025年9月3日、抗日戦争勝利80周年と題された軍事パレードにおいて、さまざまな兵器が登場するなか、YJ-18Cが登場した[1]。2019年の軍事パレードで初登場したYJ-18とは形状が大きく異なり、一見すると同じミサイルには見えず、かろうじて側面の「YJ-18C」の文字で派生型とにおわせる。 果たして何が変わったのか、ミサイルの視点から中国の狙いをひもといてみたい。 軍事パレードで登場したYJ…
【政府情報】EIFが防衛ディープテックに91億円超拠出、軍民両用…
欧州委員会は3月4日、欧州投資基金(EIF)が防衛と安全保障分野の先端技術企業に投資するベンチャーファンド、ジョイン・キャピタル(Join Capital)社の第3号ファンド「ジョイン・キャピタル・ファンドIII」に5000万ユーロ(約91億7600万円)を出資すると発表した。欧州連合(EU)が防衛支出を拡大するなか、防衛関連技術の産業基盤を強化する狙いがある。 EIFは欧州投資銀行(EIB)グループ傘下の金融機関で、中小企業とスター…
【政府情報】独の対ウクライナ総支援額が10兆円超、防衛協力が長…
ドイツ国防省は2月24日、ロシアのウクライナ侵攻から4年を迎えたのに合わせ、ドイツとウクライナの関係が緊急支援から長期的な戦略的パートナーシップへ発展していると発表した。装備の供与だけでなく、訓練や資金支援、防衛産業協力を含む幅広い枠組みで支援を実施しており、2026年には約115億ユーロ(約2兆1013億円)を計上する計画だ。 ドイツは欧州最大のウクライナ支援国で、2026年初めまでの総支援額は約550億ユーロ(約10…
安価ドローンが揺さぶるミサイル防衛、戦略レーダーを巡る新たな…
NSBT アナリスト 小松 和郎 イランは現在進行中の米国とイスラエルの空爆作戦「エピック・フューリー」への報復として、中東各地の米軍関連施設への攻撃を続けている。中でもミサイル防衛用レーダーを標的としたドローン攻撃が顕著だ。ミサイル防衛の中核を担うレーダーへの攻撃は、これまでに複数回成功した可能性が指摘されている。 特に注目されるのは、極めて高度で高価なレーダーシステムに対し、比較的安価な自爆型ドロー…
【政府情報】デンマークがウクライナ独立系財団と連携、総額60億…
デンマーク国防相は2月24日、ウクライナ国防軍の訓練能力の強化と近代化を支援すると発表した。総額約3300万ユーロ(約60億円)の資金が投じられる。両国の国防相と、ウクライナ軍を支援する独立系財団「カムバック・アライブ(CBA:Come Back Alive)」が共同で、キーウで発表した。 支援の内容には、訓練用ドローンなどの装備の調達と、教育施設や宿舎、衛生設備などのインフラ整備が含まれる。現在の訓練施設での体制より、ウ…
【政府情報】ウクライナ防衛企業が北欧・バルト勢と1465億円超で…
ウクライナ防衛産業評議会は2月24日、ウクライナの防衛関連企業4社がデンマークとフィンランド、ラトビアの企業と、防衛技術分野での提携に関する文書を締結したと発表した。 合意総額は約8億ユーロ(約1465億6800万円)に上る。ドローン(無人機)と地上ロボットを中心に、欧州市場での事業拡大も見据える。 今回の合意は、ウクライナ企業の技術を欧州の産業基盤に結び付け、生産能力の拡大と欧州連合(EU)の規格や品質基準に…
【企業情報】オランダ造船ダーメン社がデンマークで海軍・海事分…
オランダの造船企業ダーメン(DAMEN)社が2月26日、デンマーク輸出協会(Dansk Eksportforening)と提携した事業交流イベント「マッチ・メイキング・デイ」を開催したと発表した。これは、海軍や海事分野での長期的な産業協力を模索するものだ。 デンマークは、今後数年間でいくつかの海軍増強計画を進める。今回のイベントは、海軍増強計画に向けた産業協力を深める試みである。 オランダとデンマークは長年にわたり、海洋分野…
【企業情報】ラインメタル社が特殊部隊向け小型レーザー照射装置…
ラインメタル(Rheinmetall AG)社が、2月23日から25日までドイツのニュルンベルクで開催された展示会「エンフォース・タック(ET:Enforce Tac)2026」に、レーザー照射装置(MLM:Modular Laser Module)「VTAL」を展示した。 MLMは軍用の小銃などに装着してレーザーを照射する装置で、標的に照準を合わせる赤色可視レーザーポインターと赤外線レーザーポインター、夜間暗視装置を使用する時に使う赤外線照明装置(イルミネータ…
【企業情報】EDGEとスペインのEM&Eが合弁設立に向けて合意、2363…
アラブ首長国連邦(UAE)のEDGEグループが2月25日、スペインのEM&Eグループと合弁会社の設立に向けて合意したと発表した。ビジネス規模は約15億ドル(約2363億円)を見込み、UAEでの拠点開設を探る。 合意に基づき、EM&Eは遠隔操作式の兵器ステーション(RWS:Remote Weapon Station)の最新技術を、UAEと他の国際市場に提供する。EM&Eは、この提携を国際市場で拡大するための足がかりとして位置づける。 今後、新会社を通じてさ…
【政府情報】デンマーク、ウクライナ基金に約940億円追加拠出で…
デンマーク国防省は2月22日、2026年にウクライナ基金へ38億デンマーククローネ(約938億6000万円)を追加拠出すると発表した。これにより、同年の国防費は国内総生産(GDP)比3.5%に達する見通しとなる。 ロシアの侵攻開始から4年近くが経過した今も、ウクライナは抗戦を続けている。デンマーク政府は侵攻当初からウクライナへの支援を続け、これまでに700億デンマーククローネ(約1兆7290億円)超の供与を決めてきた。今回の追…
【政府情報】欧州主要5カ国、低コスト防空兵器の共同開発で新枠…
英国防省は2月20日、欧州主要国と共同で低コストの防空システムを開発する新たな多国間枠組みを立ち上げたと発表した。北大西洋条約機構(NATO)の防空体制を強化し、ドローン(無人機)とミサイルの脅威から欧州の空を守る狙いだ。 新たな多国間枠組み「低コストエフェクターと自律型プラットフォーム(LEAP:Low-Cost Effectors and Autonomous Platforms)」は、英国、フランス、ドイツ、イタリアとポーランドの欧州5カ国(E5…