米中首脳会談の表裏:G2体制が到来するのか?
DIMEレポート~2026年9月~ 2026年9月30日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 9月の総括9月、最も注目すべき事象としては、やはり米中首脳会談であったのではないか。同首脳会談を論評するにはもう少し事実関係が判明しないと正確を期すことはできないが、これまで米中双方から出された声明により、ある程度明らかとなった。 米中首脳会談前回5月の中国・北京での米中首脳会談に続き、今回の会談でも、米中双方とも…
DIMEレポート~2026年9月~ 2026年9月30日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 9月の総括9月、最も注目すべき事象としては、やはり米中首脳会談であったのではないか。同首脳会談を論評するにはもう少し事実関係が判明しないと正確を期すことはできないが、これまで米中双方から出された声明により、ある程度明らかとなった。 米中首脳会談前回5月の中国・北京での米中首脳会談に続き、今回の会談でも、米中双方とも…
DIMEレポート~2026年8月~ 2026年8月31日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 8月の総括 世界各地で気候変動による影響8月を振り返ってみると、DIMEの主要事象には該当しないが、天変地異が多かった。今夏は最高気温が40度以上の酷暑日が全国で計10日観測され、酷暑日の年間最多記録を更新した。11日には、観測史上初めて茨城県に台風が上陸し、西進するという異例のコースをたどった。13日から14日にかけて千葉県で…
DIMEレポート~2026年7月~ 2026年7月31日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一7月の総括7月28日に発生した「2025(令和8)年熊本地震」で、熊本県を中心に甚大な被害が発生した。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆さまにお見舞い申し上げる。酷暑の中で、地元の方々や関係機関による懸命の救援・復旧活動が、安全に行われることをお祈りする。 そのような状況においても、国際情勢は一時の休…
DIMEレポート~2026年6月~ 2026年6月30日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 6月の総括 米・イラン、14項目からなる覚書に合意2月末に開始された米軍によるイラン攻撃作戦が6月に大きな転換点を迎えた。 6月下旬、米国とイランは14項目からなる覚書に署名した。主要点は、レバノンを含む全戦線での軍事行動の停止、米軍による封鎖の解除、ホルムズ海峡の安全航行の確保、イランが核兵器の調達や開発をしないこと、…
DIMEレポート~2026年5月~ 2026年5月31日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 5月の総括さわやかな5月もあっという間に過ぎ、間もなく梅雨入りという季節になってきた。2月末に開始された米軍による対イラン作戦「エピック・フューリー」は、5月末に3カ月を迎えた。今回は、長引く対イラン作戦と米中首脳会談を取り上げ、今後の国際秩序の行方を考える。 政治目的を達成できない軍事作戦5月冒頭、トランプ大統領やル…
DIMEレポート~2026年4月~ 2026年5月7日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 4月の総括4月は、ホルムズ海峡をめぐる動きに世界が注目した。DIMEの観点からすれば、外交、情報、軍事、経済のすべてに影響する世界規模の由々しき事態が継続している。事の本質は、国力の重要な要素となるエネルギー源、石油をめぐる危機事態である。日本はエネルギー源の大部分を海外、とりわけ中東に依存しているだけにこの事態は深…
DIMEレポート~2026年3月~ 2026年3月31日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 3月の総括先月のDIMEレポートにおいて、米国とイスラエルによるイラン攻撃について、「情勢次第では、中東各地に混乱が飛び火し、さらに他地域へ波及するおそれがあり、原油の高騰、シーレーンの途絶、それに伴うインフレの加速など、今後予期せぬ事態を想定して備えていくことが重要となる」と伝えた。状況はまさにそうなりつつある。…
2026年2月28日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 2月の総括2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻を初めて丸4年が経過した。日本が真珠湾攻撃により開戦してから終戦までの期間が3年4カ月であるから、それよりもはるかに長くロシア・ウクライナ両軍は戦っていることになる。双方の死傷者は180万人から200万人と見積もられる。依然として、停戦の道筋は見えず、消耗戦の様相を呈している。ウクライナをはじめとする欧…
2026年2月2日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一1月の総括 第1回NSBT戦略フォーラム in Tokyoの開催NSBT Japanの運営母体である一般社団法人安全保障ビジネスイノベーション協会(SBIJ)は1月30日、都内で初の「NSBT戦略フォーラム in Tokyo」を開催しました。多くの企業、防衛省・自衛隊、関係機関からご参加いただき、主催者としてこの場を借りて厚く御礼申し上げます。 このフォーラムは過去3年あまり開催している…
2026年1月6日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 12月の総括新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 新春早々、米国トランプ政権が軍事力を使ってベネズエラのマドゥロ大統領夫妻を拘束してニューヨークに移送した。トランプ大統領は、後述する米国の国家安全保障戦略の特色である「西半球」重視を具現していると言ってもよい。これには、麻薬問題以外にベネズエラに眠る世界最大規…
2025年11月30日NSBT エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 11月の総括 :急激に悪化した日中関係 10月末に韓国・慶州で開催された日中首脳会談において、両国は戦略的互恵関係を再確認し、11月1日には、小泉進次郎防衛大臣と董軍国防相による日中防衛相会談が開催された。ところが、7日の衆議院予算委員会の質疑において、台湾周辺で緊張が高まった際には日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたる可能性もあり…
2025年10月31日NSBT Japanエグゼクティブ・ストラテジスト 磯部晃一 10月の総括 文末の「10月の主要事象」を見ると、今月の後半はⓅ(Politics、政治事象)が多いことに気づく。本コーナーは「DIMEレポート」と題して、外交・情報・軍事・経済(DIME)を主に取り上げているが、今回は日本の政治について焦点を当ててみたい。 政治の流動化と思いきや、政権安定の兆し10月4日、自民党の総裁選が行われて、高市早苗総裁が誕生し…
2025年9月30日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一9月の総括 9月は国内外ともに流動的に推移した月であった。 海外の事象では特に3つの事象が注目される。まず3日に中国が抗日勝利80周年のパレードを行うとともに、中ロ朝の3首脳が一堂に会したことである。近代化された人民解放軍の威容と3首脳による揃い踏みの強烈なメッセージを世界に向けて発信した。 次に、ロシアが中旬に相次いでポーランド、ルーマニア…
2025年8月31日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部晃一 8月の総括 8月は夏休みをはさんで比較的穏やかに過ぎると思いきや、15日にはアラスカで米ロ首脳会談が開催され、続く18日にはワシントンDCで、米・ウクライナ・欧州の首脳による会談が急遽、開催された。本レポートでは、DIMEのうち、Dの外交とMの軍事に関連した事象をまずとりあげて、最後に、防衛省の来年度の概算要求を簡潔に見てみよう。 外交(Diplomacy…
2025年7月31日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 7月の総括 今月は、特筆すべき軍事の事象は比較的少なかった。政治と経済の活動が主体の月であった。 国内では、7月20日に参議院選挙が行われ、自公与党が参議院でも過半数割れとなった。今回の選挙で明らかになってきたのは、既存政党の退潮が著しい反面、国民民主党や参政党などの新興政党の得票が大きく伸びていることだ。石破首相の責任論をめぐって自…
2025年6月30日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 6月の総括 ロシア内奥に配備された戦略爆撃機に対するウクライナの大規模ドローン攻撃、という衝撃的なニュースで6月は始まった。4日には、隣国の韓国で進歩派の李在明氏が大統領に就任した。今年は日韓国交正常化60周年という節目の年に当たる。昨今の厳しい東アジア情勢を踏まえると、日韓両国が連携して、強固で安定的な二国間関係を構築することが求めら…
2025年5月31日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 5月の総括 日米関係については、タリフ(関税)に始まりタリフで終わった5月であった。DIMEの中のE(経済)が大きな比重を占めた。日本製鉄によるUSスチールの買収問題は、トランプ大統領の決断で一気に進捗したかに見えるが、予断をもつのは早すぎるようだ。 今後の米国の安全保障政策で注目すべきは、ヘグセス国防長官による「国家防衛戦略」策定の指示だ…
2025年4月30日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 4月の総括 4月は、関税をめぐるトランプ米大統領の発言のたびに、金融市場が動揺し、世界の株価、為替、そして金利が乱高下する展開となった。DIMEの中でもEの経済が表舞台に躍り出るかっこうとなった。 その引き金となったのは、米東部時間の4月2日夕方に発表された相互関税であった。各国に課す関税率は市場関係者の予想をはるかに超えるものであった。こ…
2025年3月31日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一 3月の総括 先月のDIMEレポートで、「トランプ大統領は民主主義国家の代表格である米国の大統領選挙で選ばれた指導者ではあるが、米国大統領が持つ強大な権限を最大限駆使して、自分の思い通りに政治をしようとしている。ある意味、強権を発揮するプーチン氏や習近平氏と同じタイプの指導者であるということだ」と指摘したが、3月に入っても、どうもその傾向は…
2025年2月28日NSBT Japan エグゼクティブ・ストラテジスト磯部 晃一2月の総括 2月は28日間と一年で最も短い月だが、2025年の2月は国際政治の分水嶺となった月として記憶されるかもしれない。トランプ政権の正体がくっきりと輪郭を現したと言える月となったためだ。トランプ大統領は民主主義国家の代表格である米国の大統領選挙で選ばれた指導者ではあるが、米国大統領が持つ強大な権限を最大限駆使して、自分の思い通りに政治を…