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オピニオン

ベネズエラ情勢に見る「現代型介入戦争」の正体 ~銃声なき特殊…

NSBT アナリスト 辻 一平 これは「戦争」ではないのか2026年初めにベネズエラを巡って展開された一連の作戦は、さまざまな報道や専門家による評価、分析が続くが、依然として一般的な「戦争」や「軍事介入」という言葉では正確に捉えることができない。 そこに大規模な侵攻軍は存在せず、首都を焼き払う爆撃も行われていない。しかし、国家主権には確実に影響を与え、政権の正統性は国際社会で切り崩され、経済は締め上げられて…

2026/03/06 NSBT Japan 編集部
北米 中南米

平静を望む日本、必ずしも同調しない中国

デレク・グロスマン南カリフォルニア大学 教授 本記事は、2026年1月14日に公開された英語記事の翻訳です。原文はこちらをご覧ください。 近年の日中外交における最も深刻な危機の一つが、2025年11月に発生した。日本の高市早苗首相が、中国による台湾攻撃に端を発する台湾の有事は、最悪の場合、日本の「存立危機事態になり得る」と国会で発言したことに、中国当局が強く反発したためである。このような文言は、日本本土を防衛す…

2026/02/24 NSBT Japan 編集部
東アジア 中国

五輪トップアスリートとタクティカルアスリートを“睡眠”で読み…

NSBT アナリスト辻 一平  晴れ舞台の裏にある「静かな戦略」五輪で金メダルを獲得した選手は、才能だけで勝ったわけではない。世界のトップアスリートは今、睡眠を“トレーニングの一部”として制度化している。 米スタンフォード大学の研究(Mah et al., Sleep, 2011)[1]では、睡眠時間を延長した大学バスケットボール選手のスプリント速度、シュートの成功率がともに向上し、改善傾向が示された。また、Milewski氏ら(Journa…

2026/02/17 NSBT Japan 編集部

トランプ政権の対テロ戦争と「低強度戦争の主戦場」=後編 ~IS…

NSBT アナリスト 辻一平  問題提起 ~アフリカの戦争は、日本に何を突きつけているのか米国がアフリカにおけるイスラム国(IS)系組織の活動拡大を無視できないのは、①   放置が米国本土へのリスクに直結し②   低コストで拡張可能な脅威を増殖し③   競争国(ロシア・中国)に主導権を渡すからである。もちろん、政治的にも「無視」は許されない。 本件は、一見すると日本からはるか遠くに離れた場所での事象にしか見…

2026/02/09 NSBT Japan 編集部
北米 アフリカ

最新鋭無人機「VBAT」は海上自衛隊をどう変えるのか?

NSBT アナリスト 辻 一平 作戦様式そのものを変える存在無人化は「装備更新」ではなく「運用思想の転換」である。 近年、海上自衛隊(海自)を取り巻く安全保障環境は、従来の国家間武力衝突を前提とした枠組みを超え、グレーゾーン事態、認知戦、持続的な情報戦へと急速にシフトしている。特に南西諸島周辺の海域では、日常的な監視・警戒と即応態勢をいかに持続させるかが最大の課題だ。 Shield AI社が開発した垂直離着陸機…

2026/02/06 NSBT Japan 編集部
航空機 ドローン

トランプ政権の対テロ戦争と「低強度戦争の主戦場」=前編 ~な…

NSBT アナリスト辻 一平 戦略的意図を持ったメッセージ性の高い行動アフリカで起きたイスラム国(IS)襲撃をどう見るべきか?アフリカにおけるイスラム過激派組織による襲撃事件は、もはや「地域限定の不安定事象」ではない。とりわけ、IS系組織による近年の攻撃は、戦略的意図をもって設計された“メッセージ性の高い行動”として捉える必要がある。 本稿では、米国ドナルド・トランプ政権で形成された対テロ戦争の思想と作戦様…

2026/02/02 NSBT Japan 編集部
北米 アフリカ

日本の山林火災対応と夜間航空消火が突きつける国家的課題

NSBT アナリスト辻 一平 なぜ山火事を安保の視点で論じるのか?2025年から2026年にかけて日本各地で相次いだ山林火災は、単なる「季節性の自然災害」として片付けるには、あまりにも多くの構造的問題を露呈させた。 山梨県上野原市、岩手県大船渡市をはじめ、その後も続く各事例では、延焼の速さ、消火の長期化、夜間対応の不在といった共通の特徴が見られる。これらは偶発的な不運ではない。むしろ、日本の危機管理体制が長年抱…

2026/01/28 NSBT Japan 編集部
消防 防災 大洋州 東アジア

米麻薬戦争が示す治安領域の軍事化~非戦争領域が安全保障市場へ…

NSBT アナリスト 辻 一平 はじめに米国における麻薬戦争は、これまで「治安」「社会問題」「国境管理」といった枠組みで語られてきた。しかしトランプ政権で明確となったのは、麻薬戦争が単なる治安政策ではなく、米国の安全保障産業・国境政策・防衛装備体系の再編を強力に促す“治安領域の軍事化”の装置で、新たな安全保障市場の創出との側面を持っていたという点である。 麻薬、国境、犯罪対策といった“非戦争領域”が軍事…

2026/01/27 NSBT Japan 編集部
警察 ドローン ISR AI 暗視装置 防災 北米 東アジア

インド太平洋先端技術セミナーが映し出した日本の現在地 ~次世…

NSBTアナリスト 辻 一平 抑止力の重心はハードからソフトへ2025年12月、東京都内のホテルで開催された「インド太平洋先端技術セミナー」の会場には、防衛省や企業の関係者、研究者らが集まり、かすかな緊張感とともにプログラムは進んでいった。登壇した企業のスライドに映し出されるのは、派手な未来像というよりもむしろ、すでに動き始めている現実の延長線だった。 セミナーは先端技術の紹介を主な目的としながらも、結果と…

2026/01/23 NSBT Japan 編集部
大洋州 北米 東アジア 東南アジア イベント

ランドパワー・フォーラム・イン・ジャパンが示したもの~ウクラ…

NSBT アナリスト 辻 一平 1.「ランドパワー」を改めて問い直す場12月18日閉幕したランドパワー・フォーラム・イン・ジャパン(LFJ)は、単なる装備の展示会でも、技術の見本市でもなかった。 LFJの本質は「陸上戦力(ランドパワー)とは何か?」「それはインド太平洋の平和と安定にどう寄与し得るのか?」という、極めて根源的な問いを、国内外の防衛・軍関係者、研究者、企業が同じ空間で共有した点にある。 冷戦終結後の日…

2026/01/21 NSBT Japan 編集部
東アジア イベント

中国貨物船の脅威 ~海軍艦艇だけでは測れない中国の海上戦闘力…

NSBT シニア・アナリスト 中條 剛 中国が台湾に軍事侵攻する。これは最もリスクが高く、大規模で複雑な作戦である。上陸させるためには50万、もしくは100万人規模の兵力が必要であるとも言われている。 一方、中国は軍用艦艇をハイペースで建造している。昨年(2025年)は3隻目の空母「福建」だけでなく、米海軍のアメリカ級に匹敵する「075型強襲揚陸艦」も4隻目が就役した。福建は電磁カタパルトを装備して無人航空機(UAV)…

2026/01/16 NSBT Japan 編集部
船舶 東アジア 中国

軍事的分析で見るベネズエラ大統領拘束作戦

NSBT アナリスト 辻 一平SEOの延長事案だ南米ベネズエラの首都カラカスで1月3日(現地時間)に実施されたマドゥロ大統領拘束作戦は、各国のメディアで「大胆」「衝撃的」「前代未聞」といった言葉で報じられた。しかし、特殊作戦の実務的観点から見れば、本作戦は決して突飛なものではない。むしろ、過去10年以上にわたり米国を中心に進化してきた「戦略執行型特殊作戦(SEO:Strategic Enforcement Operation)」の延長線上に位…

2026/01/16 NSBT Japan 編集部
北米 中南米

日本の次期首相候補、周辺地域に不安をもたらす可能性も

南カリフォルニア大学 教授デレク・グロスマン本記事は、2025年10月17日に公開された英語記事の翻訳です。原文はこちらをご覧ください。 日本政府は、数日以内に初の女性首相を選出する見通しとなっており、これはまさに歴史的な偉業である。しかし、高市早苗氏が掲げる外交方針は、北東アジアの多く、あるいはほとんどの国々に不安を引き起こす可能性がある。自らを「日本のマーガレット・サッチャー」と位置づける筋金入りの保…

2026/01/15 NSBT Japan 編集部
東アジア

ADEX2025(2025年ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会)

NSBT ストラテジスト 川波 清明     ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会(ADEX)は、1996年に「ソウル・エアショー」として始まって以来、隔年で開催される韓国最大の国際武器見本市である。今回は、東アジア最大の防衛産業展示会と言われるADEX2025についてリポートする。 ADEXは、元はエアショーとして開催されていたが、防衛産業を国策とする韓国の取り組みにより2009年からは航空宇宙分野のみならず地対空ミサイルなどの…

2025/12/23 NSBT Japan 編集部
宇宙 東アジア イベント

NATOを襲う「ドローンの戦術」に見る脅威分析 ~グレーゾーン戦…

はじめに:小型無人機が暴いた国家の脆弱性2025年9月下旬、デンマーク西部ユトランド半島で空港や軍事施設、さらには北海のエネルギーインフラに至るまで、複数のドローン飛来が確認された。幸いにも人的被害や直接的な物的破壊は報告されなかったものの、「被害ゼロ」の事案が逆説的に示したのは、デンマークというNATO創設メンバーの一角である国の防空体制に潜む脆弱性である。 今回の事案は、実行者がメディアで取り上げられ…

2025/12/16 NSBT Japan 編集部
ドローン 欧州

2025年 英国戦略的防衛見直し(SDR): 「防衛の配当」と日本へ…

東京大学公共政策大学院教授ヘン・イクァン 2025年6月に公表された英国の戦略的防衛見直し(SDR)は、これまで10年に一度発行されるのが通例だったのに対し、過去5年間で3回目という、やや異例の頻度での発行文書となった。本見直しは、「NATO第一」の方針を再確認し、戦闘即応態勢の再構築に重点を置いている。同時に、それが「NATOのみ」を意味するわけではないという点について、インド太平洋地域のパートナー国に対する安心感…

2025/12/08 NSBT Japan 編集部
東アジア 欧州

特殊部隊のドクトリン改訂と現代戦における勝利の条件 ―変化す…

NSBT アナリスト 辻 一平 特殊部隊の役割は変わりつつあるベトナム帰還兵を主人公としたアクション映画シリーズ「ランボー」。ランボーは米陸軍特殊部隊、通称「グリーンベレー」の出身という設定で、孤独に戦闘と行動を続ける姿を描いた作品だ。 映画と現実では多くの違いはあるが、グリーンベレー自体は、冷戦期から一貫して「不正規戦の専門家」としての役割を担ってきた。彼らはゲリラ戦や現地勢力の組織化、対テロ作戦、…

2025/12/03 NSBT Japan 編集部
北米 東アジア

『NSBT Japan 安全保障カンファレンス』鼎談「元特殊部隊員が語…

NSBT Japanアナリスト 辻 一平 はじめに現代の戦場において、「夜間」はもはや弱者が奇襲を狙うための時間帯ではない。最新の暗視装置やドローンの普及により、夜間戦闘は高度に「可視化」された領域となりつつある。 筆者は、2025年5月23日に開催された     「NSBT Japan 安全保障カンファレンス」のセッション「元特殊部隊員が語る夜間戦闘のリアル」でモデレーターを務めた。 このセッションでは、オーストラリア軍特殊…

2025/11/19 NSBT Japan 編集部

基礎戦闘訓練:現代の兵士を育成する

2025年6月28日スティーブン・ラナNext Peak Pty Ltd.トレーニングマネージャー はじめにこの記事は、現代の軍事訓練システムを「科学的根拠(エビデンス)に基づく実践」と「作戦における実戦上の妥当性」という観点から検証する全3回のシリーズの第1回目です。このシリーズでは、基礎的な戦闘訓練を現代戦の要求にどう適応させるかについて、実践的および理論的な洞察を提供することを目的としています。 自衛隊を含む軍事訓練…

2025/11/18 NSBT Japan 編集部
東アジア

ウクライナ戦争に見る、戦場ビジネスの現実と特殊作戦的視点

戦場が「実験場」と化す現実ロシアによるウクライナ侵攻からすでに2年以上が経過した。戦争は消耗戦の色が濃くなり、兵士と市民の犠牲は増え続けている。しかし、この戦争は単なる軍事衝突にとどまらない。現代の戦場がいかにして「新技術を開発するための実証実験場」となり、軍需ビジネスと結びついていくかという側面を如実に示している。 従来、新兵器や装備は、演習や限定的な作戦を通して評価されるのが一般的であった。だ…

2025/10/16 NSBT Japan 編集部
欧州

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