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【企業情報(開発)】英ロールス・ロイスがウクライナで小型原子炉の開発を交渉へ

2023/12/19 NSBT Japan 編集部
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英ロールス・ロイスはウクライナ最大の民間電力会社DTEKとウクライナ国内に小型モジュール式原子力炉(SMR)を建設することについて協議を行っていると英テレグラフ紙が12月17日、明らかにした。

DTEKのマキシム・ティムチェンコ最高経営責任者(CEO)は、ウクライナが再建され、化石燃料からの転換が進む中、原子力発電がDTEKの将来におけるポートフォリオにおいて重要な部分を占めると予想していると述べた。

DTEKとロールス・ロイスは、最大8つの既存の石炭火力発電所用地(そのうち2つは現在ロシア占領地域にある)を、最終的には2030年代に一般家庭用SMRに転換できるかどうかを検討している。

ウクライナは、厳しい冬の間、送電網のインフラを破壊するロシアによる爆撃作戦に直面し、風力発電所や太陽光発電所など集約的でなく、より再生可能なエネルギー源の配備に奔走している。

DTEKは2023年5月、ウクライナ南部、戦争の最前線から90マイル離れたティリグルスカ風力発電所で発電を開始した。この風力発電所は戦時中にわずか9か月で組み立てられた。12月に入り、同社は同発電所での発電容量を4倍にする計画を発表した。

ティムチェンコCEOは、複数の風力タービンの方が大規模な石炭火力発電所と比べて、ミサイル攻撃の標的となりにくいため、再生可能エネルギーが依然としてエネルギー安全保障を高める上では鍵になると述べている。しかし同CEOは、電力の大部分を原子力など断続性の低い電源からも供給する必要があると述べた。

同CEOはテレグラフ紙のインタビューで次のように語っている。

「我々としては、非常に大きな容量の石炭火力発電所を保有しており、ロールス・ロイスSMRと原子力への転換に向けて協議中である」。

ウクライナはすでに世界有数の原子力発電所保有国であり、ロシア軍によるウクライナ侵攻前においては、同国における電力の半分以上を原子力発電に依存していた。そのうちの1つであるザポロージャ原子力発電所は、現在ロシア軍による占領地内にあり、ウクライナとロシアはそれぞれ核災害を引き起こす危険性のある無謀な砲撃でお互いを非難し、火種となっている。

【出典】
https://www.telegraph.co.uk/business/2023/12/17/rolls-royce-talks-build-mini-nukes-ukraine/

 

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