米海軍は現在、次世代潜水艦の開発を進めている。最大の改善点は潜水艦連携戦術システム(Submarine Warfare Federated Tactical System, SWFTS)と呼ばれる戦術系統のシステムを共通のコンピューティングシステムに移行することだ。他にも新たな潜水艦の設計、新型の軽量魚雷の開発なども着々と進められている。
プログラム責任者のトッド・ウィークス(Todd Weeks)大佐は、SWFTSの更新のポイントはハードウェアとソフトウェアの分離だと説明している。同氏によれば、現在の潜水艦は乗組員が処理できないほど大量のデータを扱っているという。SWFTSは潜水艦のソナー、画像処理、電子戦など潜水艦の運行、戦闘のあらゆる側面で利用され、潜水艦のデータ処理能力を向上させる。またサイバーセキュリティが強化され、潜水艦用のAIツールのインストールも可能となる。潜水艦内ではAIを用いてデータを取捨選択し、さらに情報の精査や統合を共通コンピューティングシステムへ移行することで、乗組員が必要な情報により集中できるようになる。さらに付随するメリットとして、ソフトとハードを分離することにより、それぞれのアップデートが以前に比べ容易になることが挙げられる。
米海軍はこの新しいツールの試験を開始するために、サンドボックスとよばれるシステムを開発した。これは既存のシステムに影響することなくデータにアクセスでき、新たなシステムを安全に実験するために必要なツールである。
米海軍の計画では、10年後を目途にSSN攻撃型潜水艦と名付けられている新型潜水艦の購入を開始する。プログラムの責任者であるジョン・ラッカー(Jon Rucker)少将は、プロジェクトチームが技術開発と設計を開始していることを明らかにした。今回の計画では速度、積載量、ステルス性能、可動率(Operational Availability)の4つを重点的に強化することを目標とし、既存のバージニア級、シーウルフ級、コロンビア級潜水艦の長所を取り入れて設計される。
ラッカー氏は11月7日、この新型潜水艦の設計計画に米海軍の指導部が署名したことを明らかにした。現在は統合参謀本部が最終的な承認を行っている最中である。来年には次のプロセスに入り、白紙から設計するか、既存モデルを修正するか、その中間かといった方針を決定する予定だ。
潜水艦の設計と並行して、敵潜水艦の探知能力を向上させる高度なソナーアレイや、ソナーアレイを利用した最新の軽量魚雷を開発している。新たな魚雷は速度、致死率が向上し、ウィークス氏によれば「我が国(米国)の部隊の攻撃から逃れられる潜水艦はない」状況となる。また安全面においても、改良された消火設備が導入される見込みだ。これまでは火災の際に手持ちの熱探知機を用いていたが、代替として呼吸装置を備えたフェイスマスクに熱探知機とディスプレイを組み込んだモデルを開発した。これは順次潜水艦に導入され、新型の潜水艦にも搭載される予定だという。
【参考】
https://www.defensenews.com/naval/2023/11/16/us-navy-upgrading-torpedoes-leveraging-cloud-computing-for-submarines/
https://www.navytimes.com/news/your-navy/2023/10/20/meet-the-navys-newest-fast-attack-submarine/
https://csrc.nist.gov/glossary/term/sandbox
プログラム責任者のトッド・ウィークス(Todd Weeks)大佐は、SWFTSの更新のポイントはハードウェアとソフトウェアの分離だと説明している。同氏によれば、現在の潜水艦は乗組員が処理できないほど大量のデータを扱っているという。SWFTSは潜水艦のソナー、画像処理、電子戦など潜水艦の運行、戦闘のあらゆる側面で利用され、潜水艦のデータ処理能力を向上させる。またサイバーセキュリティが強化され、潜水艦用のAIツールのインストールも可能となる。潜水艦内ではAIを用いてデータを取捨選択し、さらに情報の精査や統合を共通コンピューティングシステムへ移行することで、乗組員が必要な情報により集中できるようになる。さらに付随するメリットとして、ソフトとハードを分離することにより、それぞれのアップデートが以前に比べ容易になることが挙げられる。
米海軍はこの新しいツールの試験を開始するために、サンドボックスとよばれるシステムを開発した。これは既存のシステムに影響することなくデータにアクセスでき、新たなシステムを安全に実験するために必要なツールである。
米海軍の計画では、10年後を目途にSSN攻撃型潜水艦と名付けられている新型潜水艦の購入を開始する。プログラムの責任者であるジョン・ラッカー(Jon Rucker)少将は、プロジェクトチームが技術開発と設計を開始していることを明らかにした。今回の計画では速度、積載量、ステルス性能、可動率(Operational Availability)の4つを重点的に強化することを目標とし、既存のバージニア級、シーウルフ級、コロンビア級潜水艦の長所を取り入れて設計される。
ラッカー氏は11月7日、この新型潜水艦の設計計画に米海軍の指導部が署名したことを明らかにした。現在は統合参謀本部が最終的な承認を行っている最中である。来年には次のプロセスに入り、白紙から設計するか、既存モデルを修正するか、その中間かといった方針を決定する予定だ。
潜水艦の設計と並行して、敵潜水艦の探知能力を向上させる高度なソナーアレイや、ソナーアレイを利用した最新の軽量魚雷を開発している。新たな魚雷は速度、致死率が向上し、ウィークス氏によれば「我が国(米国)の部隊の攻撃から逃れられる潜水艦はない」状況となる。また安全面においても、改良された消火設備が導入される見込みだ。これまでは火災の際に手持ちの熱探知機を用いていたが、代替として呼吸装置を備えたフェイスマスクに熱探知機とディスプレイを組み込んだモデルを開発した。これは順次潜水艦に導入され、新型の潜水艦にも搭載される予定だという。
【参考】
https://www.defensenews.com/naval/2023/11/16/us-navy-upgrading-torpedoes-leveraging-cloud-computing-for-submarines/
https://www.navytimes.com/news/your-navy/2023/10/20/meet-the-navys-newest-fast-attack-submarine/
https://csrc.nist.gov/glossary/term/sandbox