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イスラエルは何を目指しているのか?
2023年10月7日にハマスがイスラエルへ攻撃を仕掛け、音楽フェスティバルの会場から民間人を拉致する事件を契機に始まった、イスラエルのガザ侵攻および、その後の中東地域の動乱が最終的にどのような形で解決するかは不明である。この問題では、多くの民間人が犠牲になった。特にパレスチナ側の犠牲者が膨大な数に上り、国… -
DIMEレポート~2024年10月~
【10月の総括】 10月のビッグ・ニュースは、なんといってもDIMEを統べる政治(P:Politics)の世界で起きた月末の「総選挙」結果である。自民・公明の与党は公示前の279議席から64減らし215議席にとどまり、定数465の過半数を割り込んだ。15年ぶりの出来事だ。11月上旬には、特別国会が開かれて首班指名が行われるが、い… -
歩兵視点でみる攻撃型ドローンへの対処方法とは
<必要不可欠のドローン> 「必要は成功の母(父)」とよくいわれるが、昨今のウクライナとロシアの戦闘におけるドローンを用いた軍事作戦の戦術的成功などはその典型といえるのかもしれない。ウクライナ、ロシア双方が文字通り必死に戦闘を繰り広げている結果、ドローンは短期間で進化し、相手に脅威を与えるものとして… -
DIMEレポート~その2:2024年9月の主要事象~
【9月の主要事象】 ※冒頭の丸英字は、Ⓓ外交、Ⓘ情報、Ⓜ軍事、Ⓔ経済、Ⓣ技術、Ⓟ政治を意味する。 2日 ⒹⓂ中国外務省毛寧副報道局長、8月31日の中国海軍測量艦の日本領海「トカラ海峡」に侵入について、「完全に正当で合法的な権利を行使している」と述べる。 2日 Ⓓプーチン大統領、モンゴルに到着。フレルスフ大統領と3… -
DIMEレポート~その1:2024年9月の総括~
【9月の総括】 今夏に猛威を振るった酷暑も彼岸を過ぎる頃には過ぎ去り、秋らしくなってきた。 本レポートご愛読の方はご承知のことだが、初めての読者もおられると思うので、「DIMEレポート」とは何か、から少しお話しよう。DIMEとは、外交(Diplomacy)、情報(Intelligence)、軍事(Military)、経済(Economy)の… -
レバノンの通信機器等爆発事件における安全保障貿易管理上のリスク
2024年9月17、18日に連続して、レバノン全土でイスラエルの秘密機関の関与が疑われる爆発事件が発生した。20日に国連の安全保障理事会の緊急会合が開催された他、各種報道でも扱われており、今後事態の進展とともに、事実が解明されてゆくであろう。 -
自律型致死無人兵器システム(LAWS)政府専門家会議に参加して
特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)自律型致死無人兵器システム(LAWS)政府専門家会合(GGE)は2016年から続く国際人道法に関する軍備管理軍縮交渉である。 この交渉の開始当初は、LAWSは理解されにくかったため、AI兵器を規制する交渉、またロボット兵器を禁止する交渉などと呼ばれていた。防衛省も2019年の「防衛白… -
DIMEレポート~その2:2024年8月の主要事象~
【8月の主要事象】 ※冒頭の丸英字は、Ⓓ外交、Ⓘ情報、Ⓜ軍事、Ⓔ経済、Ⓣ技術、Ⓟ政治を意味する。 2日 Ⓜ防衛省、先端技術などを装備品に生かすための「防衛イノベーション技術研究所(仮称)」を10月に恵比寿ガーデンプレイス内に立ち上げ。 3日 ⓂEUの執行機関、欧州委員会は防衛担当の閣僚ポストを今秋に新設する。… -
DIMEレポート~その1:2024年8月の総括~
【8月の総括】 現在(31日)、フランクフルトに向かう機上でこれを書いている。9月初頭に開催されるスロベニアでの国際会議に出席するためだ。 8月を概観すると、上旬にはパリ・オリンピックで多くの日本人選手が活躍し、海外で行われたオリンピックとしては史上最多のメダルを獲得した。日本は失われた20年とか30年と… -
西側諸国にみる「中国人スパイ疑惑」についての報道姿勢②
フランス通信社(AFP)[xv]も、背景に踏み込んで貴重な洞察を提供している。「分析者曰く、欧州は中国のスパイ活動に対抗することに不慣れだ」(4月24日)[xvi]では、幾つかの興味深い洞察が見られる。中国に関する西洋の知識の不足と、ウクライナとガザでの戦争を含む複数の危機、テロリズムは、強力な敵に直面して資源を… -
西側諸国にみる「中国人スパイ疑惑」についての報道姿勢①
「ドイツ検察、スパイ容疑で男女3人逮捕 中国に軍事技術情報を提供か」とのニュース報道が4月22日にあった[ ]。その後も幾つかの報道があるようだが、詳細な分析記事や中国を糾弾するような内容は見られていない。極めて、日本的な報道姿勢だと感じた次第である。 米国は、以前から中国人のスパイ疑惑の検出およびス… -
2024年7月のDIMEレポート~その2:7月の主要事象~
7月の主要事象 ※冒頭の丸英字は、Ⓓ外交、Ⓘ情報、Ⓜ軍事、Ⓔ経済、Ⓣ技術、Ⓟ政治を意味する。 1日 ⓉJAXA、H3の3号機打ち上げ成功。地球観測衛星「だいち4号」が目標軌道に。 2日 Ⓜ防衛省、AIの活用促進や、サイバー人材の確保・育成の羅針盤となる「防衛省AI活用推進基本方針」と「防衛省サイバー人材総合戦略」を策… -
2024年7月のDIMEレポート~その1:7月の総括~
【7月の総括】 DIMEレポートを掲載し始めて1年になる。この間、毎月の事象を追ってそれを分析することによって、「情勢を見る眼」を鋭くしてくれていることに気付いたりしている。あわせて、世界の事象をDIME+T(技術)P(政治)の視点に基づき考察していると一つの事象からDIME+TPの相互の関連性が見えてくる。DIMEレ… -
DRRレポート:ドローンの活用策についての考察
有事と平時、軍事と非軍事の境目がますます曖昧になっている中で、防災と安全保障の境界も曖昧になっていると言えます。たとえば国連では、国連防災機関(UNDRR)での活動をつうじて、自然災害対策にとどまらず、防災・減災(DRR:Disaster Risk Reduction)を統合的アプローチですすめています。今後、安全保障分野にも関… -
シリーズ 新領域と技術 (3)将来の戦闘様相に影響を及ぼす技術と日本の防衛装備品の方向性 その2
3 20年後に向け日本が目指すべき防衛力の方向性 現在の技術及び軍事の潮流、またグローバル・フューチャー・レポートで注目すべき技術を考慮しつつ、今後20年後に向けて日本が整備すべき防衛力は表2のとおりである。