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国連と地域機構の安全保障―クアッド海洋安全保障の抑止的考察
1 初めに 2024年9月下旬、国内では自民党総裁選が行われる中、岸田首相は米国に出発した。バイデン大統領の地元であるデラウエア州で行われる日米豪印(クアッド)首脳会談に加え、ニューヨーク市の国連本部で開催される国連未来サミット、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)フレンズのハイレベル会合への出席の… -
国連は機能不全なのか?(その2)
1 初めに 国連は機能不全なのかという問題提起から、前回の記事では主に事務局と国連における財政状況の悪化の関係を取り上げた。そして、直接的に国連が機能不全であるかを測ることは難しいものの、国連の屋台骨を支える事務局が十分に機能し得る態勢にないことを紹介し、事務局が機能不全であるとすれば、その大きな… -
国連は機能不全なのか?(その1)
1 はじめに 近頃、国連は機能不全に陥っているという言説をよく見かけるように思う[ ]。確かにロシアによるウクライナ侵略やガザでのイスラエルの軍事作戦を見ると、国連があっても停戦に向けた取り組みができておらず、そのため国連は機能不全であるという主張も、根拠のないものではない。一方、国連が機能不全と言… -
国連における人権の保障とイスラエル
1 はじめに 2023年10月7日にハマスがイスラエルを襲撃し、多数の死者を出したことは記憶に新しい。その後イスラエルはガザ地区において迅速な反撃に出て、凄惨な状況が続いていることも日々ニュースで目にする通りである。イスラエルが10月7日に攻撃を受けたとはいえ、その後のイスラエルの対応は国際社会の非難を招き… -
宇宙への核兵器配備を巡る動向-米中露の対立続くも国際社会の総意は?
本年2月中旬、米国が独自のインテリジェンスに基づき、ロシアが対衛星兵器として宇宙に核兵器を配備する能力を開発中であると発表した。プーチン大統領はこれを否定しており、また米国も未だ配備された訳ではないと明言しているが、もし実際に使用された場合、核爆発で発生する電磁パルス(EMP)により、多数の衛星が機能…