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国連は機能不全なのか?(その1)
1 はじめに 近頃、国連は機能不全に陥っているという言説をよく見かけるように思う[ ]。確かにロシアによるウクライナ侵略やガザでのイスラエルの軍事作戦を見ると、国連があっても停戦に向けた取り組みができておらず、そのため国連は機能不全であるという主張も、根拠のないものではない。一方、国連が機能不全と言… -
【企業情報(引き渡し)】ハンガリーがヴァールパロタの弾薬工場を独ラインメタルに引き渡し
7月29日、ハンガリーはヴァールパロタで式典を行い、同地に建設した最新鋭の30㎜弾薬工場をラインメタル社に引き渡した。 -
2024年7月のDIMEレポート~その2:7月の主要事象~
7月の主要事象 ※冒頭の丸英字は、Ⓓ外交、Ⓘ情報、Ⓜ軍事、Ⓔ経済、Ⓣ技術、Ⓟ政治を意味する。 1日 ⓉJAXA、H3の3号機打ち上げ成功。地球観測衛星「だいち4号」が目標軌道に。 2日 Ⓜ防衛省、AIの活用促進や、サイバー人材の確保・育成の羅針盤となる「防衛省AI活用推進基本方針」と「防衛省サイバー人材総合戦略」を策… -
2024年7月のDIMEレポート~その1:7月の総括~
【7月の総括】 DIMEレポートを掲載し始めて1年になる。この間、毎月の事象を追ってそれを分析することによって、「情勢を見る眼」を鋭くしてくれていることに気付いたりしている。あわせて、世界の事象をDIME+T(技術)P(政治)の視点に基づき考察していると一つの事象からDIME+TPの相互の関連性が見えてくる。DIMEレ… -
Monthly Night Vision Report No.10 ~NVGの基礎知識6:イメージインテンシファイアチューブ~
以下に、NVGの心臓部であるイメージインテンシファイアチューブについて解説します。 1. イメージインテンシファイアチューブの構造と動作 図1にイメージインテンシファイアチューブの構造例を示します。図の左から順にチューブケース、Anti Veiling Glare input window(迷光防止入射窓)、Photocathode(光電陰極… -
ロシア軍、小児病院等民間施設を攻撃
2024年7月8日、ウクライナの首都キーウ他、各地で大規模なミサイル攻撃があり、少なくとも41人が死亡した。翌日、国連機関はこの攻撃がロシアによる可能性が高いと発表。 ウクライナのゼレンスキー大統領は「キーウ、ドニプロ、スロヴィヤンスク、クラマトルスクなどの都市へ40発以上のミサイルが発射され、建物やイン… -
【企業情報(契約)】EID社、ポルトガル海軍の新型多目的艦向けC4Iの大型契約を獲得
ポルトガルの防衛向け通信システムメーカーEID (Empresa de Investigação e Desenvolvimento de Electrónica, S.A.)社は7月23日、ポルトガル海軍の新型多目的艦(MPV:Multi-purpose Passenger Vehicle)に搭載される通信システムに関する契約を獲得したと発表した。 同契約には、統合通信システム(ICS:Integrated Co… -
米Auterion社、自律攻撃ドローンを開発
ドローンや自律ロボットシステムなどを手掛けるアメリカのAuterion社は、地上からの通信に依存しない新たなドローンを開発した。電子戦における脆弱性というドローンの弱点を克服する製品となる見込みだ。 今年6月、Auterion社は同社製ドローンSkynode Sのアップグレードキットを発表した。同社によれば、この新たな機… -
民兵組織による無人機撃墜激化
民兵組織が優れた防空能力と戦術を持っていることが明らかになってきた。イランが支援する民兵組織(ヒズボラとフーシ派)が、米軍の無人攻撃・偵察機(MQ-9)を相次いで撃墜しており、米国とイスラエル軍の司令官は紅海での作戦を変更する必要に迫られている。 2023年末から続いているMQ-9の相次ぐ損失については、イ… -
米軍新型水陸両用戦闘車両、沖縄に到着
沖縄に拠点を置く米軍第三海兵遠征軍は、6月29日に新たな水陸両用戦闘車両(Amphibious combat vehicle, ACV)を受け取った。受け取り後は海兵隊の駐屯地であるキャンプ・シュワブに輸送され、配備に向け準備が進められることになっている。 今回配備されたACVは、これまで利用されてきた水陸両用強襲輸送車(Assault a… -
第3回 安全保障ビジネス参入フォーラム in 東京(開催概要)
去る7月25日、NSBT Japanはホテルニューオータニにて「第3回安全保障ビジネス参入フォーラム」を開催した。本フォーラムは、中小企業庁より採択を受けた「イノベーション・プロデューサー」活動の一環であり、2024年3月19日に名古屋にて第1回目、7月5日に大阪にて第2回目を開催した中で、万を期して東京にて第3回目のフォ… -
オーストラリア国防軍、レーザー兵器で初のドローン撃墜
オーストラリア国防軍(以下、ADF)は2024年5月、装備化を目指すレーザー兵器「フラクタル」の実証試験を行なった。この試験は陸軍のパッカプニャル射撃場で実施され、約500mの距離でドローンの撃墜に成功した。 フラクタルは時速100kmで移動する「硬貨ほどの小さな」物体を1km先から追尾・迎撃できる兵器で、対UAV兵器… -
米国で進む新たなGPS衛星配備計画
米宇宙軍は新たなGPS衛星配備計画を進めている。6月初旬、米宇宙軍の宇宙システム軍団(Space Systems Command)は後援する宇宙スタートアップ・中小企業共同体である宇宙企業コンソーシアム(Space Enterprise Consortium)のメンバーに対し、レジリエントGPS計画(Resilient GPS Program)の設計に関する募集を開始した… -
米国、位置情報衛星の脆弱性克服を検討
ウクライナや中東での戦争、あるいは宇宙をめぐる大国間競争の激化により、GPSやGNSSといった衛星システムの脆弱性が浮き彫りになっている。米国などではGPSに代わるシステムの構築を検討中だ。 GPSやGNSSに代表される、衛星を利用して自らや対象物の位置を把握するシステムを、衛星PNTシステムという。PNTはPositionin… -
【企業情報(契約)】ボーイング、2025年に無人機MQ-25の低率初期生産契約を予定
米航空機大手ボーイングは6月25日、同社のMQ-25プログラムのマネージャーを務めるトロイ・ラザフォード(Troy Rutherford)氏が、米海軍が2024年後半に無人空中給油機「MQ-25 スティングレイ(MQ-25 Stingray)」[※1]に関する最初の低率初期生産(LRIP:Low rate initial production)[※2]提案依頼書(RFP:Request fo…